自然葬

貞麟寺

長野県白馬にある曹洞宗の寺院です。

こちらには、一般的な普通の墓地もありますが、「自然葬」もあります。

自然葬とは、海に還す海洋葬や、許可を得て埋葬し、桜の木などを目印に植えたり、元々ある樹木の近くに埋葬したりする樹木葬、最近では宇宙葬などもあるそうです。

こちらでは、あらかじめ下見に行き場所を選び、その後打ち合わせをし、当日はご住職に読経をあげていただき埋葬します。

4年前、こちらに父のお骨を埋葬しました。雪深いこの土地。自然に囲まれたこの土地。信州を出たことのない、地元愛の強い父にはとてもいい環境だと思いました。

雪が溶ける頃には蕗の薹があちらこちらに顔を出し、数種類の桜は少し時間をずらし咲くので、しばらく楽しめるそうです。

今日、久しぶりにお参りに行くと、輝くような緑の世界。

眠りの場所の目印として、こちらでは、木を植えるか、それぞれのご家族が石や木のモニュメントを置いたりします。

父には石を選びました。豪雪に耐えられ、台風がきても豪雨にも負けないように。そして、日本刀が好きだった父のために、姉弟たちと相談し石に日本刀を彫りました。古風な人だから、右からの横文字。

一緒にお団子食べよう。甘いものに目がなかったもんね。糖尿とか通風とか大変そうだったけど。今日はかりんとうもたくさん持ってきたからね。

こちらの自然葬は、永代供養です。

一般的なお墓の場合、管理費がかかるなどし、〝墓守り〟が必要となりますが、こちらでは一代限り、檀家になることもなく毎年の管理費もかからないため、会いたい時に会いにくることはでき、いつか〝墓じまい〟することなく安心です。若い弟たちの負担も軽く、〝いつか自分も眠る場所〟と決めなくていいのです。もしもこちらに…という場合は、改めて1人申し込みます。

私たちが選んだ父の眠りの場所は、桜と楓と紫陽花に囲まれています。ここなら1人でも寂しくないよね?

観音様にも、「父をよろしく」とお花を手向けてきました。

今度は来年になっちゃうかな。今年もう1度来れるかな。

「ゆっくり休んでね。また来るよ。」